らいおんの瓶の中

手紙を海に流すように、いろいろな感想とか。

マブルーク・ラシュディ『郊外少年マリク』

2012(原2008)、集英社

www.hanmoto.com

集英社のサイトがヒットしないんだけど、(品切れ重版未定ですらなく)絶版している……?)

 

※BOOKMARKについて

BOOKMARK | Mizuhito Kanehara

 

何かの学術書の前書きで、どうもこの本の作者だったように思われるパリ郊外出身の文学者の話を読んだように思うんだけど、どこにもメモが残っていない。工藤庸子『近代ヨーロッパ宗教文化論』(東京大学出版会、2013)だったような……全然違うような……。

閑話休題

わたしはヒップホップが全然わからない(接したことがない)ので、前にこの本読んでいて助かりました。

押野素子『今日から使える ヒップホップ用語集』(2017、スモール出版)

www.small-light.com

一方でフランスの社会構造や「郊外(Banlieue)」については、大学の第二外国語でフランス語を選択したので、多少の予備知識があった。

 

読書会のなかでは主催者さんが、悪態をつかずには喋れないキャラクターに言及されていましたが、8歳や12歳のくだりも、この、かれらにはかれらなりのルールがありプライドがあるということ、それはそれで一つの文化としてあって、そして異文化なので違う社会階層とはもうつかう言葉すら違うし理解できないということ……

(これは本当に全然関係ない話ですが、学部生のときまわりでつかわれてた最も代表的かつ否定的な言辞が「頭悪い」で(わたしが知るかぎりの学内全般がそうだったかもはや覚えておらず、そんな悲喜交々会話をしていたのサークル内くらいの気もするから、わたしがいたサークルではそうだったというだけかもしれないけど)、そこにいちばんプライドがある文化なんだなあ、としみじみ思った記憶がある。この本だったらそれより「弱虫」とか「意気地なし」と言われるほうが悪口になりそう)

 

23歳の、恋人の両親に会うためにいろんな雑誌や新聞を必死に読んでいったというところ、この主人公ほんとに根はまじめで優秀なんだよな、まわりのひとが言っているとおり(仕事もちゃんと行って成果出してたし)……しかしまじめで優秀でなければ道がひらけないということを肯定してはいけないな、というのが、読書会の最後に最後にしていた話です。

 

追伸

全然本筋ではないですが、20歳のところで、ショックな出来事を酔いで紛らわそうとしたけど全然陶酔できなかったというところ参考になるなー、やっぱ酔いって気分の問題なんだなーとおもいました(参考にしてはいけない)(ドラッグではなくアルコールの話をしています、わたしは「酔っぱらって楽しい気分になる」という経験をしたことがなくて……)。