らいおんの瓶の中

手紙を海に流すように、いろいろな感想とか。

読書記録・蔵書管理サービス比較

「読みたい本リスト」ってありますか?
わたしはあるのが普通で、読書の喜びを知っている人間ならたいてい持っているものかと思っていたのですが、意外とそうでもないらしい。以前、全員まあまあ本を読むコミュニティで聞いてみたら、持っているひとと持っていないひとが半々でした。言われてみれば、あれこれ小説を濫読している母も、リストらしきものを作っているのは見たことがない……。
あえてリストを作らなくても、読みたいと思った本はすぐに読みはじめるか、たまたま手に取るチャンスがあったときに思い出すくらいでちょうどいいというひとも多いのかもしれません。
わたしの「読みたい本リスト」は、気になった小説やまんがのほか、これはいつか読まねば……という学術書人文書もどんどん追加されていって、全然読むほうが追いつきません。

閑話休題

内容はタイトルそのままですが、全然網羅していないわりに読書記録サービスではないものもまま入ってきています。

1.各リストの特徴

高機能読書記録サービス

ブクログ

スマホアプリ/Webブラウザ
・株式会社ブクログが運営ブックオフのグループ会社だからよっぽどのことがないかぎり続けてくれそう)

・読んだ/読んでいる/積読/読みたいの4状態のどれかで「本棚」に登録
・そのほかに自由にカテゴライズ(リスト分け)できる
・「本棚」を公開することもできる(アイテムごとにも公開状態を変更できる)し、非公開アカウントとしても運用できる

・新刊お知らせ機能あり
→そのまま本棚にも登録できると思うが、使っていない(なぜなら公開アカウントだとデフォルトで各アイテムも登録時は公開状態になるため)
・「基本非公開にして、選んだアイテムだけ手動で公開したい」というひねくれた要求に対応してほしい。アプリからアイテム登録すると基本は公開登録になり、タイムラインにも残るのが嫌(あとから手動で非公開にして手動でタイムラインも削除している)

・hontoとの連携機能もあるが、使いづらい(購入した(マイ本棚に登録した)本をブクログ本棚に入れてくれるのは大変結構なのだが、逆にブクログで登録した本をhontoマイ本棚に入れられても困る。「借りるなどして読んでブクログに登録したがその時点では所有しておらず、いずれ買う」というのは非常によくあるシチュエーションだと思うのだが……この機能、本屋で買った本しか読まない人間が開発したのか?)

Amazonの商品情報と連携しているが、なぜか検索機能が弱い(紙の本であるはずなのにタイトルと作者名でヒットしなかったり、ISBNで探せなかったりする。Amazonにあるはずの本はめげずに探そう……とはいえこのポイントが読書管理アプリとしてはまあまあ致命的)
・マニュアル登録も可、何なら本じゃなくても登録可(おちゃめか?)(いいえブックオフです)
青空文庫も作品ごとに登録できる

・アプリ版のみ、3冊選んでタイトルとコメントを付す「ブックリスト」が作成可能だったり、「今日も本を読みました」スタンプ機能があったりする

 

Readee

スマホアプリ/Webブラウザ
楽天が運営(そうそうなくならなそう)
・PCブラウザでもログインしたい場合は楽天アカウントで登録する必要がある(FacebookTwitterログインは永遠に準備中)
・公開アカウントとしても運用できる

・好きなだけリスト(「本棚」)を作れる、リストの構造化も可、同一アイテムを複数リストに登録可
・アイテムごとに「読みたい/未読/読書中/既読/未指定」の5状態のどれかで登録
楽天の商品情報と連携している
・マニュアル登録も可

 

読書メーター

・たぶんアプリもブラウザもあるんじゃないかな
・株式会社ブックウォーカーが運営(ユーザー多いし大手の電書事業を手がけている会社でもあるし、これもあんまなくならないでしょう)

・ユーザー間の交流(というか相互認知?)を重視していそうなのと、読書を数値に還元して把握していそうな「メーター」というネーミングが性に合わなくて使ったことがないため、わかりません(こういうのをへそまがりと言う)
ブクログやReadeeのような、高機能寄りの読書管理サービスだと思う
・使っている知人から、「自分と同じような本を読んでいるユーザーが高く評価している作品を読んでみる」という形で読書の幅を広げていると以前聞いた(正しい使い方)

 

シンプルな読書記録・ブックリストサービス

ビブリア

スマホアプリのみ
・個人開発(ソーシャルなコミュニケーションを提案してこないシンプルな読書アプリを探していてたまたま見つけた)

・本棚/読みたい本の2リストのみ
・シンプルで見やすいUI
・コメントや引用を好きに書ける(PCからも書けたら最高だった)
・マニュアル登録可
・シンプルながらグラフで読書量の可視化もしてくれる
・妖精のおじいさんが色々コメントしてくれてかわいい

 

honto

丸善のウェブページ&ポイントアプリ……だと思っていたが、運営元はDNP丸善とかブックオフの親会社にあたる印刷会社)でした

・ほしい本/マイ本棚の2リストのみ
丸善ジュンク堂文教堂の在庫状況がすぐわかる
→逆に書誌情報がここにない本は登録できない
・新刊お知らせ機能
→そのままワンクリックで欲しい本に追加できる
・hontoカード・アプリを提示して購入した本が自動的に「マイ本棚」に登録される

・UIの自由度が低い(書影を含むリスト式で一覧性が低い、アプリ版ではしばらく前から発売日を一覧状態で確認できなくなってつらい)
・アイテムを削除する際に確認ポップアップがない(地味に間違えるし取り消せない)
ブクログとの連携機能があるが、使いづらい(ブクログの項を参照のこと)

 

カーリル

Webブラウザ
・読書記録サービスではなく図書館蔵書検索サービスです。自分が登録した複数の図書館の、所蔵の有無や在架状況が一覧でわかる。

・読みたい本/読んだ本の2リスト
・UIの自由度が低い(書影含むリスト式で一覧性が低い)
・自分でコメントを付すこともできるが、100字以下では「メモ」(非公開)、100~400字は「コメント」(公開)、400字以上は「書評」(公開+40字以内でのタイトル)と、ユーザー側では状態を選べない
・ブックリスト「レシピ」も作成可能……だが、おすすめする相手・「レシピ」のタイトル・本ごとに100字以内のコメント・「レシピへの思い入れ」を100字以上の、全ての項目を規定文字数で入力しなければならない
→総じて文字数を向こうが規定してくるのが使いづらい

 

その他

・ペンさえあればいつでも追加できる
・余白を取っておけばメモも書き込める
・並べ替えたり検索したりできない
・リンクを張れない
・物理的に見えて嬉しい、一覧性も高い
・紙が無事であるかぎりなくならない

 

NDL(国立国会図書館)のマイリスト機能

Webブラウザ
・ここに書誌情報がない本はそうそうないであろう
・リストを複数登録できる
・自分では使っていないので使い勝手はわかりません
・本登録は来館必須だが、インターネット登録はネット上で完結する

・最近はNDL以外にも、各自治体の公共図書館OPACにマイリスト機能があったりしますね。ただし所蔵していない=書誌情報が出てこない本は登録できないと思われます。

 

Amazon欲しい物リスト

スマホアプリ(Amazon)/Webブラウザ
・読書記録サービスではない(それはそう)

Amazonに商品情報がない本は登録できない(と思う……)
・(パトロン向けに)アイテムごとに250字以内でのメモや優先度を登録できる
→お金持ちのパトロンがいれば、登録した本がプレゼントされるかもしれないぞ!(宝くじ程度の可能性)
・好きなだけリストを作れる、リストごとに公開/非公開を選べる

 

2.わたしがどうしているか

現状は、大きく分けて「読んだ本/読みたい本」(読書記録)と「買った本/買いたい本」(蔵書管理)を別のアプリで管理している。

  • 読みたい本

  • 積んでいる(買ったりひとから借りたりしてこれから読む、あるいは読みかけの)本

  • 読みかけの本(これは把握しているはずだから登録しなくてもいい)
  • 読んだ本

  • 欲しい本

  • 買った本

を、それぞれ別のものとしてコメント付きで管理したくて、たぶんこれをぜんぶ1つのサービスでやろうとするといちばん便利なのはReadeeなんだけど、楽天アカウントを持っていないのでPCブラウザで操作できなくて、メインに使えない(「キーボードで長文をメモできる」というのが、わたしにとっては欠かせない要件である)。

というわけで、具体的には下記のように運用しています。もうブクログに登録した冊数が多すぎて、これ以上どこにも引っ越せない気がする。

ブクログ

・読みたい本/(読んでいる本/)積読/読んだ本 を登録

・非公開メモに感想をつらつら書いたり、感想ツイートしたらリンクをメモにも張って転記しておいたり、そのうちブログにまとめなおしたり、PCでの操作性を主眼に置いている
・ビブリアを使っていたときのデータもCSVで流し込んだ(が、公開/非公開の状態変更だけは手動でどうにかしないといけないっぽかったので、昔に読んだり読みたかったりした本だけ公開されている恥ずかしい状態のまましばらく放ったらかされています。見ないでね)
・文芸書も人文書学術書も実用書も「読みたい」で雑に登録しているからどんどん埋もれていく……と思って、文芸書だけ紙リスト化したこともありましたが、複数リスト管理に向いていなかった。紙だとリンク貼れないし。


②Readee(+続きものの新刊はhontoも)

・欲しい本/買った本 を家族と共通アカウント(各々の端末で同一アカウントにログイン)で管理

・「欲しい本」と「持っている本」の大棚のなかに、それぞれ各人の棚を作成
→「持っている本」のリストを見れば家にある本が(理論上は)ぜんぶわかり、そのなかの「音江」のリストを出すと音江が個人購入したもののみが抽出表示されることになる
・共通アカウントのため、個人的なメモや読書状態は登録していない

・昔はhontoアプリの欲しい本リストでも発売日が一覧で確認できて、漫画の新刊を買うのに重宝したんじゃんがのう……(でもhontoは、買ったら勝手にマイ本棚に入れてくれるのが大変助かる、もし絶対提携店で買うならね)

結局、買った本をReadeeとhonto両方に登録する手間が続く……hontoを家族で共有するわけにはいかないのでね。