らいおんの瓶の中

手紙を海に流すように、いろいろな感想とか。

徳田秋声旧宅 特別公開

東京文化財ウィーク(http://www.syougai.metro.tokyo.jp/sesaku/week.html)の特別公開で、徳田秋声旧宅に伺ってきました。
毎年この時期に、一日限定で公開してくださっているようです。
去年までがどうだったのかは知らないのですが、今年は10:30~13:00と時間も限っての公開でした。

徳田秋声旧宅は都指定史跡となっていて、門の前には案内板も立っていますが、現在もご親族の方がお住まいです。
なので、ご厚意で中を拝見させていただけるのは大変ありがたく貴重な機会……本当にありがとうございます。
できることなら、来年以降もお伺いしたいなあと願っております。


秋声旧宅は、敷地を囲む板塀越しに室生犀星から譲り受けた竹の梢が覗く、和風中心の趣のあるお宅です。
見せていただけるのは、秋声の書斎でもあった一階の和室。縁側と、お庭に続いています。
お部屋のまんなかに机が置いてあり、秋声の著作が広げてありました。
(すでに記憶が曖昧になっているんですが、『縮図』だったかな……?
長男・徳田一穂氏による序文が……読めるようにしてあったような……うろ覚え。)
金沢の秋聲記念館にも書斎の再現がありますが、部屋の隅に本が積んであったりするのが本物! という感じ。
愛用していた煙管(熊の彫刻が欠けていたり)など、秋声の遺品も幾つか飾ってあったほか、お写真の前には林檎の「秋星」が。
床の間に向かい合う場所に据えられた棚には、徳田秋声の全集が並んでいました。


玄関を上がったところでは秋聲記念館さん(と思われる)が物販を行っており、和座幸子『ふるさとの文学者小伝 徳田秋声(金沢文化振興財団・徳田秋聲記念館、2008)を購入させていただきました。
(秋聲記念館さんは、公式サイトでもオリジナルグッズの通販を受け付けてます)
また、秋聲記念館のパンフレットや、東京文化財ウィークのポストカード(秋声旧宅の外観の写真と、立て看板の説明文が載っているもの)もいただきました。

わたしが購入した冊子自体は、今のサイトには載っていないのですが……記念館に行けば手に入るかも?
本文・略年表ともに、秋声の大まかな生涯と代表作についてコンパクトにまとめられています。
生涯や人物については前半生が主で、小説家として活動しはじめて以降は、著作に関する記述が中心になるかな。
小さいながら、脚注に図版が多く引いてあるのがいいなと思いました。

 

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徳田秋声旧宅(文京区公式サイト)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/bunka/kanko/spot/ato/tokuda.html